僕らは(日本円にして)3億くらい賭けられている

 異星人(だと遭遇した者が思うような存在)から「このままだぞ地球やばいぞ。気をつけろよ」的な警告を受けるという話がたまにあるが、大抵は農夫であったり主婦であったり、いわゆる一般人がほとんどで、懐疑論者でなくとも「もっと伝えるべき相手がいるだろ」と多くの者が突っ込みたくなることだろう。

 しかし、どこにあるかもわからん星からはるばるやって来るような高度な文明を持った方々が、その辺の農家のおっちゃんに言ったところで世界が救われる可能性などゼロに等しいことに気付かないわけはないだろう。これもまた、懐疑論者、いやUFO信奉者だって納得してくれる指摘だと思う。

 では、なぜその辺のおっちゃんやおばちゃんの双肩に地球の未来がかけられてしまうのかというと、「双肩にかけられている」のではなく「賞金がかけられている」からではないか、という説がある。たとえば、異星人のあいだで他の惑星の歴史に介入するようなゲームかなにかがあって、より困難なミッションを成し遂げた者が多額の賞金を得ることができる、といった具合である。

 つまり、「地球から核をなくそう」というミッションがあったとして、それはトランプ大統領あたりと交渉すべき話なのだが、それではきっと達成したとしても、高度な異星人にとっては宝くじで300円当たった程度のことなのだろう。その辺のおっちゃんやおばちゃんを駆使して地球の未来を救ってこそ、高額賞金をゲットできるのである。このブログを読んでくれているような奇特な方々は、きっと残念ながら私と同じく社会に対する影響力はさほど持っていないような気がするので、おそらく我々にも(少なくとも)3億くらいの賞金がかけられているはずである。我々も地球を救ってみれば、3億ゲットした異星人から分け前をもらえるかもしれない。がんばろう。

 まあ、「という説がある」なんて書いたけれども、これは昨晩、ぼんやりとヴォネガットの小説や「動物園仮説」について考えていてら思い浮かんだだけに過ぎず、他に似たような話があるのかどうかさえ調べていないのだけれど、第三種接近遭遇ができる条件として「絵が下手であること」と並べて「影響力がさほどないこと」も加えたら良いんじゃなかろうか。その割には、私の前にリトルグリーンマンもウンモ星人もバルタン星人もラムちゃんも現れそうにないのだけれど。

 

タイタンの妖女

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