そのままでいいよ

 チーズとマヨネーズは調子に乗り過ぎだという話は前にもした。別に好きな人がいるのは構わないし、ブームになるのも構わない。しかし、「俺たちのこと嫌いな人なんているわけないじゃん」とばかりに、断りもせずあちこちに割り込んで来るのは不愉快である。抹殺してやろうかとさえ思う。権限があるのなら抹殺している。

 この2つのいけすかない奴らは少々極端な例だとしても、考えてみれば私は基本的に食品における「ちょい足し」と呼ばれる文化が苦手で、もちろんそれが好きなら好きで構わないのだが、もし勝手に「ちょい足し」などされれば、感情に任せて法を破りかねない。今まで法を破っていないのは、単に私が他人と食事を共にすること自体が苦手なうえに、頻繁に食事に誘われるほどの人望がないからである。

 人望のなさゆえに食事の席で揉め事を起こす心配は低そうだが、食品に限らず様々な場で見受けられる「コラボ」というものも苦手な場合が多く、こちらの精神状態が切羽詰まっていた際、楽しみにしていたものが余計な「コラボ」で台無しになりでもすれば、ヤケになって何かとんでもないことをしでかすのではないかと若干の不安を持っている。

 不思議なもので、「ハイブリッド」や「ミックス」、あるいは「融合」などと評されるものには感心することも多い気がするのだが、どうも「コラボ」と称されるものとは相性が悪い。別のもの同士の掛け合わせという意味では同じことのはずなのだが、「夢のコラボ」が夢だった試しがない。悪夢だったことはあるが。

 今後も「コラボ」という単語には、なるべく近づかないよう心掛けたいのだが、同じ「かけあわせ」的な意味の言葉でも、「コラボ」の奴は特に巷に溢れているような気がして、油断するとチーズやマヨネーズと共に私に喧嘩を売ってくるのである。しびれを切らして買ってしまないよう注意したい。

成り立つかな?

成り立つかな?