日本でいちばん長く感じる日

 MLBで試合時間短縮のためのルール改善があるらしい。日本野球よりは見ていられるとはいえ、基本的にスポーツ全般に詳しくないため、これまでにも試合時間を短くするようなルール改定が行われてきたのかどうかは知らないし、日本とアメリカそれぞれの平均試合時間というのも少し調べてはみたけれど、はっきりした情報に辿りつくまでに野球好きたちの正直言って鬱陶しいコメントが沢山目に入ってきてしまって、早々に力尽きてしまった。

 いずれにせよ、日本においてMLBのテレビ中継は、基本的にNHK-BS1で放送されるため、延長の場合はサブチャンネルへの切り替えられるし、そもそも前後の番組編成もMLBに限らず、天候等にも左右され易いスポーツ中継を前提としたものであることが多い。ゆえに、仮にMLBの方が平均試合時間が長かったとしても、主たる放送局がBS1である限り、野球ファン以外の人間にとってはあまり影響はないように思う。

 やはり、問題は民放で放送される日本プロ野球中継の方で、野球離れが叫ばれ、是非は別としても映画やテレビドラマ/アニメでさえ倍速で視聴するほど「長さ」を避ける者が増えているというのに、中途半端な放送延長で他の番組ファンの顰蹙を買う仕組みは変わっていない(懸念していた通り、北海道ではBIG BOSS就任によって、ファイターズ関連の番組も増えてしまった感がある)。

 そんな折、村田兆治が空港の保安検査場での暴行容疑で逮捕という、あえてネット的な悪意に満ちた言い方をすれば“老害感溢れる”ニュースを目にした。勿論、野球関係者が過去に起こした事件を参照すらせず、この一件のみで日本野球界全体を蔑むのは、あまりに短絡的なのだけれど、空港職員の態度が悪かったのではないかなどと邪推したり、頓珍漢と言っても差し支えないような論法で無理やり村田兆治を庇うようなコメントも散見され、ただでさえ日本野球界を快く思っていない者にとっては、更に憎悪が募ってしまう(余談になるが、空港での著名人の不祥事としては、2015年に俳優の隆大介が台湾の空港で入境審査官に暴力を振るい逮捕されている。酒に酔った状態だったようだが、この時は隆大介が韓国籍であると台湾メディアで報じられたため、その点に関するヘイト的な声がネットニュースのコメント欄等で目立つようになり、交流のある映画監督が怒りの声をツイートしたりもしていた。しかし、どちらも肝心の「酒に酔って暴力を振るった」ことの悪質性は重要視していないようで、酒呑みへの甘さに憤りを感じることの多い飲まない私としては、そろって鉛の弾をぶち込みたくなったのを覚えている)。