丈夫なのか鈍感なのか、勇気があるのか無知なのか

 いまだに「コロナはただの風邪」と主張する者も多いが、つい先日、4度目のワクチン接種を終えた私の身体に限って言えば、「ただの風邪」だったのはワクチンの副反応の方である。幼き頃から「ただの風邪」も含め、幾度となく寝込んでいたため、具合の悪さの差異には多少敏感になっており、その経験から導き出した結論である。副反応の具合の悪さは「ただの風邪」の時の具合の悪さに酷似している(あくまで私の身体においては)。

 ワクチンの副反応によって引き起こされた体調不良は、実際にコロナに感染した際の半分以下の辛さだという話を聞いたことがある。だとすれば、これもまた私の身体に限っていえば、やはりコロナは「ただの風邪」なんかではないだろう。副反応は「ただの風邪」だったが、その倍以上の辛さとなれば、当然の話である。今現在も37.5度ほどの発熱が続いており、頭痛もある。「ただの風邪」でも充分に辛いのに、抗体ゼロでの感染などもってのほかである。

 さて、反ワクチンの方々の主張に倣えば、4度も摂取した私など、元来の貧弱さも相俟って、とっくに亡き者になっているはずなのだが、いっこうにくたばる気配はない。喘息やうつ病の症状が重かった時期の方が死にかけているし、そもそも過剰とも思える車社会では、道路の近くに居るだけで常に死の危険と隣り合わせだとも言える。だいたい、「ただの風邪」であっても死の危険は充分にあるわけで、すべてが怖くて八方塞となってしまうのなら分かるが、ワクチンのみを過剰に恐れる理由が分からない。少なくとも、私はワクチンに対し可能な限り怖い面だけに目を向けても、ワクチンと偽って食塩水を注射するような医者と関わる方が怖い。