鮮血の叫び

 TikTokあたりで流行りなのか、シリアルキラーを模した様子でカメラに向かって刃物を振りかざす姿を撮っていた女性が、手元が狂って自分の顔を切りつけてしまう動画が流れてきた。額の端あたりを切ってしまい、かなりの出血が確認できるため、苦手な方には閲覧注意の映像だろう。もう少しずれていたら、眼球を切り裂いていた可能性もある。

 本人が痛い目を見るだけならば「バカな奴だ」と呆れるだけで済むが、周囲に他人が居る状態で撮影し、無関係の人間にまで危害を与えるような大バカ野郎が現れるのではないかと不安になる。小・中学校や高校での調理実習すら周囲の人間が信用できず、どうにか欠席できないものかと策を練っていた私のような人間にとっては、また一つ外出時に警戒せねばならぬ事象が増えてしまった。

 ところで、上機嫌で踊りながらソーセージを料理していた男が、誤って自分の鼻を切り落としてしまったという事件がかつてあったらしく、話を聞いた当初は、怪我をするにしても鼻を切り落としてしまうことが有り得るのだろうかと疑問に感じたのだが、上記の女性の動画を見た後だと、真相はともかくとしても、有り得ない話ではないと思えてくる。裸で踊りながら料理をしていて、もっと大事な部分を切り落としたという話は、さすがに盛り過ぎている気もするが。

 いずれにせよ、刃物が危険だということは、幼いうちからトラウマになるほどしっかり植え付けておいた方が良いと思う。刃物を扱う職業の志望者が激減するかもしれないが、赤の他人からしても生半可な覚悟で就いてほしい仕事ではないのである。