普通の拾い難い靴

 駐車場に放置されている靴の大半は、車内で靴を脱ぐようにしている人たちの忘れ物なのだろうが、持主の手に(足に?)戻る確率はどれほどなのだろう。戻らない場合においても、誰がどの段階で処分することが多いのだろう。うっかり者が大勢いるのか知らないが、やけにこの辺りの駐車場では放置された靴を目にするので、なんとなく気になっている。

 路上に長靴が落ちているのもよく目にするが、これは主に農家の落とし物だろう。農作業中は長靴だが、運転する際に靴を履きかえる人も多く、中には脱いだ長靴をダンプやトラックの外側に引っかけて移動したりする場合もある。必然的に落ちる確率も高くなるだろう。他の車や歩行者に危険が及ぶ可能性もあるので、やめてもらいたいとは思う。

 いずれにせよ、魔法の黄色い靴であれば大きな海や川を越えて財津和夫さんの家へ帰ってくることだろうが、残念ながら私が目にしたのは、魔法などかかっていそうもない普通の靴ばかり。ゴミだと断定しにくい分、ある意味、空き缶などよりも触れ難く迷惑かもしれない。まあ、靴に意思があれば、ぞんざいに扱う持主のもとへ帰りたいとも思わないだろうが、できればこっそり回収しておいてもらいたい。他の利用者や清掃担当者の為にも是非。