どうせ散るなら少しは敬われたい

 少し調べれば得られる答えというのは、大半が今の自分に都合の良い答えなので、本当はもっと調べなければいけないのだが、大抵は真実と呼べそうなものなど遥か先の地点で力尽きてしまい、ならばハナから答えなど得ようとしなければ良いとも思うのだが、こういった悩みを持つ者が世界のあれやこれやを全く気にせず生きるなど到底無理な話で、結局は騙し騙し生活していくしかないのだけれども、自分を騙しきれなくなった時が「正気」と呼ばれる状態の終焉であり、そのうちの何人かは幸か不幸か後年になって「哲学者」などと呼ばれることになるのかもしれない。

 現時点での私の戦況は極めて厳しい。庶民以下の哲学的探究度で狂い死にでは、さすがにきまりが悪い。もっとも「きまりが悪い」などというレベルの邪念がこぼれ出ている時点でどうしようもない感もあるのだが。

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