怪物たちの幸福な住処

 大ヒット映画すら公開されない危険性のある地方都市のレンタルビデオ/DVDショップの棚にも、B級以下のモンスター映画(テレビ映画率高し)がそれなりに揃っていたりするのは何故なのだろう。ゴダールトリュフォーの作品は3本くらいしか置いていない店でも、『ジュラシック・レイク』や『恐怖!キノコ男』のDVDは見つかったりするのである。

 思えばVHS主流時代でも、アート系映画が見つからない割に、『ガジュラ』だの『ザルコー』だのといった亜流怪獣映画のソフトは並んでいたように思う。さすがに、DVD/ブルーレイが主流となってからは、VHSのみでリリースされていた作品は見かけなくなったものの、B級~Z級モンスター映画の需要自体は廃れないらしく、新たに作られたパッケージ詐欺的モンスター映画がレンタルショップの棚に陣取り続けている。作品単体の寿命は短くとも、ジャンル自体が消えることはないようだ。

 崩壊しそうな崖の隅っこくらいしか居場所を許してもらえないまま、この年齢まできてしまった私には羨ましい話である。

ジュラシック・レイク [DVD]

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  • ドン・S・デイヴィス
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