君たち急に生えてきたマンゴーだね

 北海道でもマンゴーが栽培できるようになった。それほどまでに温暖化が進行したという話ではない。いや、温暖化そのものは、どうやら間違いではないようだが、それゆえに仕方なくマンゴーの栽培を始めたというわけではない。ビニールハウスや暖房設備等(温泉の熱を利用している場所もある)の文明の利器を駆使し、栽培できるものは何でも作ってしまおうという旺盛な農民魂によって実現された、フルーツ好きには頼もしく、逆にフルーツ嫌いには余計な事しやがってな事態である。

 北国で採れたマンゴーとはいえ、別に蟹のように毛で覆われてはいない。毛蟹の毛が寒さ対策なのか、そもそも「毛」と呼ぶべき部位なのか、魚介類の専門家ではない私には断定できることではないが、少なくとも北海道産マンゴーが南国産マンゴーよりも毛深いということはない。毛蟹を沖縄に連れて行くと禿蟹になる、などという話も聞かない。

 しかし、そもそも賽の目切りにされていない、もぎ取られてそのままの形のマンゴーを実際に手にとったこともなく、産毛のようなものが存在するタイプの皮なのかどうかすら知らないわけで、つまりは画像や映像だけで判断できるほどの差がないように見えるだけであって、正確な毛深さまで知ることはできていない。ゆえに、ほんの少し毛深くなっている可能性を否定できるものでもない。だいたい、私にとってマンゴーは、それほど身近な存在の果実ではなく、なんなら、とあるスーパーマーケットのサービスで贈与されたマンゴープリンとやらが非常に口に合わないものだったため、あまり良い印象も持っていないのである。

 とにかく北国産マンゴーの毛深さを知りたい者は、北海道に足を運ぶなり、通信販売的なものを利用するなりして、実際に購入して頂きたい。マンゴーに良い印象を持っていない私でも、地元北海道の経済が潤うことは歓迎すべき事態であるため、是非とも北国産マンゴーと毛蟹の2ショットなども投稿して盛り上がって頂ければ幸いである。