2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

家に帰って卒業して記憶と折り合いをつけるまでが修学旅行

私の父は、現在70代前半で、高校時代の修学旅行は空路ではなく、長い列車の旅だった。観光の記憶よりも、列車内の記憶の方が濃いらしい。 それだけ列車移動の時間が長かったということもあるだろうが、それ以上にクラスメイトの女子が一人、重度のホームシッ…

散々クド

『孤独のグルメ』でお馴染みの久住昌之が泉晴紀とのコンビ「泉昌之」名義で発表した短編漫画『最後の晩餐』(名短編集『かっこいいスキヤキ』収録)は、スキヤキに対する己の美学を貫く男の悲喜劇(と言って良いかどうかはわからないけれど)であるが、作中…

じーっとみてると盗人に思われちゃうよね

映画館で拾った財布を係員に渡したものの、その後どうなったのかが分からずじまいで少々不安だという話は以前書いたが、財布に限らず落し物を見つけると、そもそも触れて良いものかどうか悩んでしまう。 別にコロナ禍だからというわけではなく、持主が他人に…

絵を描かされた子供たち

白い画用紙に黒色で斜面を表す線を一本描く。線の上には先の曲がった板を足に装着し、両手に棒のようなものを持った人間らしき形を描き、あとは左上か右上の余白に記号的な太陽を描いておく。これで3・4時間目「ずがこうさく」の授業での課題「スキーきょう…

憎悪対象である某球技への心情と信条

北海道日本ハムファイターズの監督、否、BIG BOSSに新庄剛志が就任した。地域密着し過ぎな感もある地元新聞を含め、連日各種メディアがあれこれ騒ぎ立てている。 新庄剛志氏は嫌いじゃない。古書ではあるものの、関連書籍を読んだこともある。私にとっては、…

骨を砕かせて歯を磨く

右腕の鈍痛がどうやら歯磨きのやり過ぎによるものだと診断されたものの、歯医者さんから褒めてもらうことに命をかけている私には、これまでより磨く力を抑えることはできても、磨く時間を短縮することはできない。力を抑えている分、長くなっている気もする…

ムショの糸

高校生の頃、地元の小さな映画館で財布を拾ったことがある。どうやら、直前までの上映を鑑賞していた老人のものらしく、別にこれから観ようとしていた作品が『刑務所の中』だったからではないが、魔が差すこともなく、すぐに受付に届けておいた。 映画館の経…

深夜のラブホで「見えない二人」

幼少期に何度も訪れたり、近くを通ったりした馴染み深い場所のうち、数か所が現在は心霊スポットとなっている。比較的、世間に対しての恨みつらみが激しい子供だった気はするが、だからといって私が原因ではないはずだ。30代も後半に差し掛かれば、幼少期の…