自己紹介やら目次やら

投稿日付を未来に設定して常にブログのトップに表示されるようにする、というのは説明するまでもないことのような気もしていたのだけれど、わざわざコメントで突っ込みを入れている人を見かけたこともあるので、念のため、先にその旨を書き記しておきます。…

『空にかたつむりを見たかい?』 第12回

「絵?」 「うん。っていうか、アユムの家にもあるよ」 「えっ?」 「二回も同じ音出すと、馬鹿みたいに見えるよ」 マリサからその話を聞いたのは、中学一年の夏休み直前、ちょうど今から一年前のことだった。 マリサの言う「絵」とは何か。 その「絵」は、…

『空にかたつむりを見たかい?』 第11回

ところで、国島先生の「なにか良くないことの前触れ」という発言だけれど、カマドウマはたくさん出たし、虻や蝶はたしかに例年より少なかったかもしれない。でもそれが、その年に限ったことだったかどうかはわからない。 実際、ネットで「カマドウマ 大量発…

『空にかたつむりを見たかい?』 第10回

「じゃあ、晴れた日を狙って、その川に行くの?」 パンを食べ終え、浸すものがなくなったマリサは、スープだけを啜ってから言った。 「夏休みになれば、何回か晴れるかなと思ってね」 「でも、晴れるたびに、あの川ばっかりにいたら、さすがに怪しまれるでし…

『空にかたつむりを見たかい?』 第9回

「そういえば、かたつむりって蝸牛って書くよね」 マリサが正面にいる僕を睨むようにして言う。本当に睨んでいるのかどうかはわからないけれど、マリサの目つきは大抵こんな感じだ。 「アユムの言ってる空飛ぶかたつむりと、大竹さんの見た手乗り牛も何か関…

『空にかたつむりを見たかい?』 第8回

「そういえば、昔、さまぁ~ずの大竹さんが、手乗り牛を見たって言ってた」 眉間に皺を寄せながら、ちぎったコッペパンをスープに浸し、マリサは言った。 食事中のマリサは、いつも不機嫌そうな顔をしている。どうして、そんなに不味そうな顔で食べるのだろ…

『空にかたつむりを見たかい?』 第7回

ついでに、僕が企んでいることも、こっそり白状しておこう。 僕が三歳のころのことだ。 母さんが、家から四百メートルほど離れたところにある川まで散歩に連れていってくれた。よく晴れた日だったけれど、前日までは大雨だった。だから、道路はまだ少し濡れ…

『空にかたつむりを見たかい?』 第6回

「塔子さんは、一度も見たことないんですか?」 「なにを?」 「ここの盛り上がってた時期の運動会です」 「あたしは知悦部小の子たちが進む中学校の出身ってだけで、知悦部小の子じゃないからね。そもそも小学校までは、札幌にいたし」 「中学になってから…

『空にかたつむりを見たかい?』 第5回

「手が止まってるよ、あゆむん。そんなに運動会の写真つまらない?」 塔子さんが、ペットボトルのお茶を僕の頬に押し付けながら言った。考えごとをはじめると、手が止まるのは僕の癖だ。「僕の癖」と呼べるほど珍しい癖ではないけれど。 「向こうで知り合っ…

『空にかたつむりを見たかい?』 第4回

かたつむりは、わずかな土地を這いまわるだけで一生を終える。土佐先生から借りた吉村昭の『羆嵐』に書いてあったことだ。この地に永住することを妙に誇りに思っている人たちは、この本を読んだわけでもないのに、似たような考えを持っているらしい。いや、…

『空にかたつむりを見たかい?』 第3回

そんな『謎の湖底人シタカルト~』を、土佐先生や塔子さんが面白がってくれたのは、まだ理解の範囲内だったのだけれど、僕たちが卒業した後に知悦部小学校に赴任してきた楠本校長までもが気に入ってくれたのは、かなり意外だった。土佐先生と塔子さんからの…

『空にかたつむりを見たかい?』 第2回

知悦部小学校の閉校記念式典で流す映像の制作を頼まれたのは、中学二年になってすぐのことだった。 小学生の頃から現在まで、ずっと放送委員であること。そして、僕の代が知悦部小学校の最後の卒業生(僕たちが入学した後の二年間は新入生が入学しなかったた…

『空にかたつむりを見たかい?』 第1回

「らんちゃん、そんなバカな話、誰が真面目に聞いてくれるの?」 「事実だってことにしちゃえば、案外信じる奴が出てくるんだよ」 「それって、いいことなの?」 「いいことかどうかは、時と場合によるね」 ○○○ ○○○ ○○○ 知悦部(しりえっぷ)小学校閉校記念 …

ネット環境整備のため

ネット環境の整備のため、しばらくブログの更新をスムーズに行うことができそうにありません。しかし、たとえどんなに無益な駄文であろうと、日曜日と水曜日に必ず更新するスタイルを2、3年ほどは欠かさず続けてきたので、急に途絶えさせるのも気持ち悪く、…

主役であるとも知らずに

幼稚園の学芸会で披露する劇の役を決める際、「じゃんけんで決めていきましょう」と言われ、とりあえず全員でじゃんけんをさせられ、最初に勝った3人が希望も訊かれずに主役になった。その3人のうちの一人が私である。内容も聞かされないまま「狼の役」だと…

呑む阿呆に拾い集める阿呆

郵便局に用があったのだが、隣にある小さな病院の駐車場にアルコール飲料の空き缶が10本ほどまとまって転がっているのを見つけ、しばらく観察してしまった。 このクソ寒いなか、路上で酒盛りでもしたバカがいるのかと思ったが、バカでイキがった若者の酒盛り…

2019年の30選/20選

2019年に発表された各ジャンルにおける作品の個人的30選/20選。 【2019年の海外音楽アルバム30選】 アーサー・ラッセル『アイオワ・ドリーム』 Alogte Oho&His Sounds Of Joy『Mam Yinne Wa』 YĪN YĪN『The Rabbit That Hunts』 ヴルフペック『ヒル・クライ…

来なくてもいいのに勝手に来やがったんだから少しは良い思いさせなさいよ、2020

年齢のせいか、はたまた時代のせいか、新年というものがさっぱり嬉しくなくなってしまって久しいが、来なくてもいいのに奴は勝手にあがりこんでくる。正月飾りがあるじゃねえかとおぬかしやがるが、それは福の神さまたちへのものであって新年氏に対してでは…

SOME DAY,THAT PLACE IN TIME(さよなら、2019)

みうらじゅん先生の「みうらじゅん賞」に倣って、私を楽しませてくれた人・ものなどを勝手に称える「みづきうりゅう賞」。令和に入り本家「みうらじゅん賞」は“権威・濃すぎ”になった(?)授賞式を改め、原点回帰的な発表になっておりましたが、こちらは権…

ガラス製品に埃を溜めるな

もっと掃除しやすい家にするべきだと家を建てる前の両親に忠告したくなる季節。つまりは大掃除の季節。安物のくせに小細工に走ったシャンデリアなんぞ、埃は溜まりやすいうえに、いざ拭こうとすればあちこちでこぼこしていて鬱陶しいし、苛々しながら雑に扱…

松とパインとリンゴにまつわるシベリアを絡めたムッシュ村上の話

特に好物というわけでもなければ親の仇のように敵視しているわけでもないので、日常においてパイナップルに意識を向けることはさほどない。だからこそ、ふと目に入った表記が「パイナップル」ではなく「パインアップル」だった場合、ちょっとした特別感に浸…

さようなら、ミスター・アメリカン・ライダー

映画『ラストムービー』予告編 遠い遠い昔の話 映画が始まると皆が微笑んだ時代があった 僕にもそんな機会があって 皆を驚かすことができるかなと ちょっとは感銘を与えられるかなと思った でも71年に大きな衝撃があった 僕が知ったのは天国の門も開いた後 …

12月11日の段階でこの心境

例年以上に師走らしい師走、つまりはあれこれ忙しくて体に悪いということで、ただでさえ社会の仕組み的に色々やらんといけないことが多くなるのに、別に無視しても構わないような文化的な伝統も今更ぷっつり途絶えさせるのも気持ち悪く、そのあれこれのため…

最後の映画は12月20日

映画『ラストムービー』予告編 公開は12月20日から。最後の映画まで、もう少し。

映画の終りとハードボイルド・ワンダーランド(31年ぶりの『ラストムービー』)

映画『ラストムービー』予告編 最後の映画、映画の最後、終りの映画、映画の終り、強いては映画の死に場所 拳銃を手に「ぶっ放されたくなかったらトチらず演技しろ!」と怒鳴ったなんて噂もありながら、自分自身をパロディ化したような役を「面白そう」だと…

軽量級の重病

少し重めの風邪をひいたため、いつも以上におとなしくしている。インフルエンザではないらしい。早めの大掃除で体力を消耗し過ぎたのが一因と思われる。

頭が軽いと天丼も軽くなる

以前、『タモリ倶楽部』で特集されていたが、俳優の高橋克実さんは月に2回、ヘアカットに通っているらしい。番組内でタモリさんに「切るほどのものないでしょ」とからかわれていたが、幸い(?)にも切るほどのものがまだまだある私は年に2回しか髪を切るこ…

白鳥の引き笑い

白鳥の鳴き声は明石家さんまの引き笑いに似ている。ほぼ毎年のように我が家の近辺には白鳥が飛来するので、テレビを点けているわけでもないのに、どこからともなくあの笑い声に似た音がすると「もうそんな時期か」としみじみしたりする。 さんまさんといえば…

あの悪趣味なVHSをもう一度

時代がVHSからDVDへと変わる頃、多くのレンタル店ではレンタル落ちのVHSが安価で叩き売られていたのだけれど、さすがにアダルトビデオが一般作品と同じ場所に並ぶことはなかったものの、往年のモンド映画や一時期ブームとなった悪趣味系ビデオ(死の瞬間や死…

洋楽の邦訳風文章に隠された意味があるかどうか決めるのはあなたの賢さ次第と言っても過言ではないのだ

誰がのさばらせたんだろうな 案外優しい君たちかもよ 弱い者には優しい振り 強い者にはひたすら厳しい そりゃ強い連中だって怒るさ 足りない頭でカンカンさ 阿呆が怒れば手がつけられない そんな事もわからないほど抜けちまったのかい 必要なのは強さでも優…