他者との交流が薄い人生を送っている私だが、現在のところ最も他者と交流していたと思われる時期は中学時代である。その頃の交流者たち(「友達」と呼んで否定されると哀しいので、こう呼んでおく。もう何年も会っていない当時の交流者たちが、今になって「お前なんか友達じゃねえ」と言うためだけに連絡してくるなど、想像しただけで首を吊りたくなる)と何度か興じた遊びに「対義造語推理」というのがある。
これは、ある言葉に対し無理矢理でっち上げた対義語(=対義造語)だけを相手に提示し、それが一体どんな言葉の対義語としてでっち上げられたものかを推理するという、想像力と創造力を相当量に総動員させなければならない高度で不毛な遊びである。以前、同趣向の内容がTwitter(認めたくねえが、現:X)で回ってきたが、ひょっとしたら、かつての私の交流者の誰かが発信元だったのかもしれない。
比較的難易度の低い例を挙げると、「オリジナルキン」という対義造語を交流者の一人が生み出している。これは「マネキン」の対義造語である。あくまで対義造語であるため、「マネキン」本来の意味の対義語ではなく、「マネ=真似」に対し「オリジナル」を当てただけのもので、「対義造語推理」活動のごく初期に生まれ、そして今の今まで埋もれていた言葉である。字面はケンタッキーフライドチキンの「オリジナルチキン」に近い。また、略すと「オリキン」ということになるが、かつて武田鉄矢によって生み出された「プロゴルファー織部金次郎」とは無関係である。
対義造語推理では、まず提示された対義造語が、元となった言葉とどのような形で対義になっているかを考えなければならない。「オリキン」であれば、単純な駄洒落に近いものであるが、回を重ねるごとに複雑化してゆき、出題者の知識量や性格も考慮しなくては正解できなくなっていく。捻くれた考え方をしすぎて、さすがにでっち上げられてすらいない造語が出題されることもあるが、その場合は審議のうえ、回答者の納得が得られなければ出題側の敗北となる。審議時間の方が長くなることもしばしばだった。
そんなわけで、戯れに五つの「対義造語」を提示しておくので、暇な方は推理してみてください。全問正解者には、なにか良いことあるよう、気が向いた時に願っておく。
「陸気体」→
「死にお蔵」→
「部分的に養殖の色」→
「謎に包まれた放流賢者」→
「みのもんたが言ってた」→