どうにも我慢ならない

 ゲスの極み乙女。の川谷さんの不倫騒動の際、SEKAI NO OWARIFukaseさんが「俺はかれらの作る音楽を支持する」と発言したことに対し、「音楽を作る者としてはまっとうな答えカモだけど、詳細が不明な渦中の中では微妙な気が」などと呟いていた人が、猫漫画家・うだま氏の盗作騒動に対しては、「猫あるあるネタの漫画にはほぼ興味なく、飼われてる猫や亡くなった猫への想いがイイと思ってフォローしてるんで、著作権違反についてあらまー…くらいスかね」などと発言していた。Fukaseさんの発言に関して特に不快感も反論もないが(まあ、不倫騒動に対するコメントとは言えないかもしれないな、と思う程度)、後者のほうが「微妙」(違和感やちょっとした不快感を表現するのに「微妙」という言葉を使うこと自体、あまり好ましいと思わない)だと感じる。

 呟き主は、以前からフォロワーが被ったりしているせいで、発言がタイムラインに流れてきたりしていて、そのたびに激しい嫌悪感を抱いていた。そのせいで、かえって気になってしまい、精神衛生上良くないこととは分かりつつ、たまに様子を見に行ってしまうのだけれど、きっと心のどこかで「炎上していたりすればいいのに」と思ってしまっているのだろう。幸か不幸か、さほどフォロワー数の多いアカウントではないので、炎上している様子はない。私もあえて、批判のためにリツイートするなんてこともしない。だが、もやもやとしたままでいるのもつらいので、何度かこうしてブログで批判しているのである。

 そもそも、「飼われてる猫や亡くなった猫への想いがイイ」と発言しているが、うだま氏に対しては、猫への扱いそのものにも「虐待ではないか」などの批判もあるようだ(よく知らない人なので、詳しいことは分からない。野球中継嫌いの理由に関する夫婦のやりとりツイートみたいなものを一度だけ私もリツイートしたことがあったが、「猫漫画で有名」どころか、そこそこの有名人であることも知らなかった。とりあえず、なんだか恥ずかしいので、リツイートは消しておいた。考えてみれば、あの野球嫌いの内容も、よく言われている話ではあった。久しぶりにそういった「あるあるネタ」が流れてきた、程度の印象だったが、あれもひょっとしたら「あるある被り」ではなく、盗用だったのではないかと思ってしまう)。そういった指摘に対する言及は、呟き主はしていない。何度か「保身」という振る舞いに対して批判的な呟きがあったようにも思うが、私としては、今回の呟きこそ「自分は著作権違反の漫画を支持していたわけではない」とアピールするためだけのものではないかと考えてしまう。それに、前々から思っていたのだけれど、この人の著作権や二次創作などに対する感覚は、どこかおかしい。

 「僕は個人的にゃ、TwitterでRTされたからって金もらえるワケでもナイのに、コピペだなんだとモメるのが、よ〜ワカラン」
 「定型的なコピペにも著作権があるんだってコトなら、ガンダムとかアニメ・漫画の名台詞の方がよほど皆が勝手に使ってるんスよね。 んで、二次創作も絵描きだ絵師だて方々がやってるし僕もやっている。 しかし他人のキャラの二次創作・二次使用はOKでコピペ文はダメだってのがイマイチわからん」

 上記は、件の人物の呟きなのだが、どうも著作権を「金をもらえるかどうか」だけで捉えているきらいがあるし、二次創作やパロディと盗作の区別もついていない感がある。もちろん、二次創作は基本的に「黙認」されているだけのことが多いし、パロディか否か判断しがたいものも存在するが、しかし、盗作というのは「他人の作品を自分の作ったものにしてしまう」ことであり、元が他人の作品であることを前提とした二次創作やパロディとは異なるものだろう。上の呟きだと、下手をすれば「引用」すら盗作と捉えているのではないかと感じてしまう。もっとも、こんな感覚なら、うだま氏の盗作騒動に対して「あらまー…」程度のことしか感じられないのも納得はいく。

 基本的に、考え方がひどく雑に思える。呟きにやたらと誤字脱字、意味の通らない文章が多いこととも関係あるのかもしれない。そういえば、リベンジポルノの問題に関して「間違いなく女性に嫌われること書きますが、別れたからとバラまくのは絶対に悪だけど、そんなもん撮らす方も良くない」などと発言していたこともある。これに関しては、私は以前、「リベンジポルノに利用される画像の出所は必ずしも“交際中の異性に同意の上で撮らせたもの”であるとは限らないのだから、仮に被害者側を擁護しきれないような画像を利用されたケースが存在したとしても、“撮らせる被害者も悪い”なんてことは軽々しく言えるものじゃないと思う」とブログでもツイッターでも発言しておいた。だいたい、「間違いなく女性に嫌われること書きますが」という前置きは、「女性ならどんな場合でもバラまいた側だけを批判するだろう」と雑に考えていることの証拠のように思える。それでいて、後にこの人は別の話題において「誰かが何かしらの被害者であろうとも、それを当人に直接関わっていない者達が限られた情報で誰が悪いかなど決めつければ深淵に呑まれ始める」なんてことを言ったりしているのだ。自分の過去の発言をゆっくり読み直してみたほうがいい。読み直してなお、そのおかしさに気づくことがないのだとしたら、どうかしていると思う。 

ENTERTAINMENT (通常盤)

ENTERTAINMENT (通常盤)