後を継ぐのか、農家

 私の現在の生息地域である北海道・十勝地方は、誤植のような食糧自給率を誇る農業王国なので、リサイクルショップを覗くとやけに農業関係の器具が目についたり、BOOK OFFなんかでも『家の光』のバックナンバーが豊富に並んでいたりする。

 『家の光』とは、農協から配布される月刊誌で(創刊は1925年)、非農家であった我が家では購読していなかったのだが、2キロほどしか離れていないため、幼少時から第二の我が家のようにしょちゅうお世話になっていた母の実家では現在も購読していて、私にとっても馴染み深い雑誌である(杉浦明平の『渥美だより』『渥美の四季』が家の光協会から出版されているので、おそらく連載されていたのだと思うが、単行本も未読のうえ、連載されていたと思われる時期のバックナンバーにもお目にかかったことがないので確かなことは言えない)。

 さて、『家の光』は農業系雑誌のなかでも有名なものだが、なかには現役の農家でも馴染みが薄いのではないかと思うような書籍が棚に並ぶこともあり、足を運ぶたびについつい購入してしまう。結果として、我が家の資料小屋には、やけに沢山の農業関係書籍が保管されているのだが、集めるだけ集めて読んでいないものも多い。

 もっとも、それは農業に限ったことではなく、あまり興味をひかれないものでも、ちょっとでも余裕があれば試しに手にとってしまう性分なので、「なんでこんなものが」というようなモノがどんどん増えている。もっと余裕があれば、資料庫自体を増設するのだが、それは宝くじが大当たりしない限りは難しそうである。こんな私に根拠のない可能性を見出して、寄付でもしてくれる人がいれば嬉しいが、それは宝くじの大当たりよりも可能性の低いことだと思うので、与太話としてここに書き散らかしておく。

渥美の四季 (1977年)

渥美の四季 (1977年)

農家の唄

農家の唄