注:あなたの知能の低さを悪化させます

 「よく噛んで食べると脳が刺激されて頭が良くなる」という話は、小さい頃から色んな場所で聞いてきたが、それなら巷に溢れる「ふんわりとろける食物」は、この国の未来のためにも殲滅すべきではないのだろうか。

 せめて「食べ過ぎると、あなたの知能の低さを悪化させます」という注意書きが必要なのではなかろうか。

 日本人よりフランス人の方が思索に耽っているイメージがあるのは、米よりフランスパンの方が固く噛み応えがあるからだろうか。日本の野球よりアメリカのベースボールの方に知性を感じてしまうのは、大リーガーの「ガムを噛んでる率」の高さが関係しているのだろうか。

 まあ、こんな勝手なイメージを元に「〜ではないだろうか」なんて書き連ねているこの文章が一番頭悪そうな感じがするわけだが。



 噛むといえば、私は相手がたとえ幼児であっても、口を閉じずにものを咀嚼する姿を見ると、殺意に近い苛立ちを覚えるのだが、そもそも食事という行為は、どうしたってかなり無防備になるわけで、本来なら見せるべきでも見るべきでもないはずで、男女交際のハードルで言えば、食事を共にするということは、手を握ることよりも、ひょっとしたら抱き合うことよりも高い壁であるはずなんじゃないかと思う。