Mama, just killed a man

 先週、NHKBSプレミアム「プレミアムアーカイブス」の枠で放送された『世紀を刻んだ歌 ボヘミアン・ラプソディ殺人事件』。2002年放送の番組だが、当時は見逃していて、その後の再放送では、鑑賞はしたものの録画は出来ず、今回はじめて手元に残すことができた。

 もっとも、録画している最中、私はとある仕事で、30年間放置されたマヨネーズは赤茶色のような気持ちの悪い色に変色するが、ウスターソースは同じ場所に同じだけ放置されても固まるだけで変色はしない、という知りたくなかった知識を得るはめになり(勿論、放置のされ方によって差は生じるはず)、ここ一週間近く、食欲不振が続いている。他のものならまだしも、ダメになった食品をいつまでも放置できる人間というのは、私にとっては、まるで理解できない、というか理解したくない存在で、このまま私の食欲が甦らず、人生が闇に包まれるようなことになれば、上記不必要知識を私の脳細胞に刻み込む原因を作った憎むべき相手の背後に忍び寄り、「Mama, just killed a man」なんてことにもなりかねない。

 そういえば、映画学校時代、ある先輩の部屋を撮影で使わせてもらった際の清掃でも似たような目に遭った。正直、この人とは二度と関わりあいにならないようにしようと誓った。実際、その後、関わったことはないのだが、それはこの先輩に限った話ではなく、何度か申しておりますように、映画学校時代から付き合いが続いている者は、あまりいない。付き合いが続いているのは、大抵、心の広い方である。そうでなければ、かなりの変わり者である。

 ところで、「ボヘミアン・ラプソディ」といえば、阿部和重の『ニッポニアニッポン』にも登場するのだが、クイーンファンを自認していながら、『ニッポニアニッポン』を読んでも、引用されている歌詞が「ボヘミアン・ラプソディ」だと気づかなかったという奴がいた(文庫版を読んだらしいのだが、巻末の斎藤環による解説を読んではじめて気づいたらしい)。よほど英語が苦手だったのだろうか。クイーンファンなら、表紙との関連で分かりそうなものだが。



オペラ座の夜

オペラ座の夜

ニッポニアニッポン

ニッポニアニッポン