生涯原液アセロラグァバ

 シークヮーサー原液なるものを土産として頂き、「そのまま飲んでも美味しい」という某ホームページの言葉を信じて水で薄めもせずストレートに味わってみたのだが、正直に言って私には「そのまま飲んでも美味しい」とは到底思えず、なんだかグレープフルーツの皮だけを30個分くらい口に押し込まれたような感じで、これならメニエール病の薬(処方する前に担当医から「こんなもの体に入れていいのか、って感じの味がする」などと脅しのような忠告を受けた)のほうが飲みやすかったなと思いつつも吐きだすわけにはいかず、念の為、ショットグラスに注いでいた自分を心の中で褒めてやりながら(そもそも、このショットグラスはメニエール病の薬のために購入した)、えらい苦労をしつつ飲み干した。

 世に溢れる「美容や健康に良い」というフレーズは、大抵の場合、美容や健康に良くなければ手をつけないような味を持つものに使われているような気はしていたが、あくまで私の味覚においては、シークヮーサー原液もその仲間であるように思う。そういった食品は、美容や健康に関心のない人間ならば、きっと二度と手は出すまい。

 だが、残念なことに、私は美容にも健康にもそれなりの関心がある人間で、いくら自分の口に合わなかったとはいえ、たっぷりと残った原液を捨てるなどということはできなかった。それは良いのだが、だったらせめて水で薄めるなり、ハチミツかなにかを加えてみるなり、飲みやすくする工夫をすればよいものを、なぜだが意味不明のストイックさが顔を出して、毎朝苦行のように原液を注いだショットグラスを仰いでいる。やはり、Mなのかもしれない。

 そういえば、中学時代にKUSU KUSUの「オレンヂバナナ」のパロディで「アセロラグァバ」という曲を書いたことがあった。やけに気に入ってくれたクラスメイトがKUSU KUSUならぬGERA GERAというバンドを組んで文化祭かなにかで披露する計画もあったのだが、メンバーが集まらずに頓挫した。実現しても、どうせ黒歴史になっていただろうから、頓挫して正解だったであろう。今でも口ずさもうと思えば口ずさめるが、たいした内容ではないので、このまま私の脳内に封印しておく。

 

 (余談)「ベサメ・ムーチョ」の「チャチャムー!」という掛け声の部分を「グァバジュース!」に変えて歌う知人がいたのだけれど、グァバジュースが好きだったのかしら。真意を訊いたことはないから分からないけど。

 

カホン

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