人間なんかウンザリだ - 美月雨竜の「感じるな、考えろ」

　「ウンザリだ」と言ったところで、相手は天気。またしても降ってくれやがり、微細なる運動の継続によって、少しばかりの筋肉を手に入れた私ではあるが、悲しいくらい少しばかりでしかなく、しかも実用性に乏しい即席筋肉であるらしく、湿った雪を除去する作業を楽々とこなせるものではない。

　私の使い道のない肉体の話はともかく、天候に対して「ウンザリだ」と言ったところで、何の意味もないというのは、それはしょうがないことではあるのだが、しかし、ウンザリな相手に直接的、あるいは間接的に「ウンザリだ」と伝えて、そのウンザリな面が改善されたことなどほぼなく、むしろ、本来無意味であるはずの天候に対する「ウンザリだ」の方が、その「ウンザリだ」という言葉が直接的な原因ではないにせよ、言った直後に陽が射し込んできたことは何度かあり、人間よりも天候の方が不満を聞き入れてくれるのではないかと錯覚してしまう。そんな意味も込めての「人間なんかウンザリだ」。

タモリ、ＣＭで「生まれたての子馬」を披露

　人間なんかウンザリだと言いつつも、こういう人間は大好きである。昔から、ビッグ3では、ダントツでタモさん派。しかし、タモリ、トミー・リー・ジョーンズ、みうらじゅん、山田五郎がひとつの画面に収まっていることに対する感動ったら……（そういえば、この間、『横山由依がはんなり巡る京都いろどり日記』で、ゆいはんの後方の壁のポスターに明和電機の土佐社長が写りこんでいて、これもまた妙な感動を覚えました）。