「時刻は午後七時十五分を回りました。みなさん、こんばんは。高山龍子です。突然ですが、みなさん。恋がなぜ面倒くさいか分かりますか? これはあくまで私の個人的な考えなのですが、自分のことを好きになる人って、自分から遠い人であることが多いと思うんですね。だって、自分みたいな人に恋ができますか? 私はできません。異性愛だろうが同性愛だろうが、私は私に恋なんでできませんよ。つまり、他人を好きになるポイントが自分とは合わない人が、基本的に自分のことを好いてくれる人だというわけです。なら、面倒くさくて当然だと思いますね。もし、面倒くさくないのなら、きっとそれは自分のことが大好きな人なんでしょうね。なので、私は恋愛が好きだという人とは、あまり友達にもなりたくありません。ということで、『高山龍子のもっと光を!』。本日もスタートです」
♪FM‐POTATO
高山龍子のもっと光を!
THE MONDAY
「『高山龍子のもっと光を!』。改めまして、こんばんは。高山龍子です。月曜の夜、いかがお過ごしでしょうか。いやあ……暑いですね。本当に。私は、まあこれでも一応女性なんですが、非常に冷え知らずでして、この時期はとても辛いんですね。誰かと同棲するときの最大のポイントって、実は気温に対する感度が近いかどうかじゃないかって思うんですよね。寒がりと暑がりは、同じ部屋にいられませんよ。好きな者同士なら大丈夫って嘘だと思いますね。こういう嘘は嫌いです。愉快な嘘は大好きですけどね。さて、ここで本日のゲストを紹介しましょう。この方です」
「♪わがまま じゃじゃうま じゃがわかめ~ はい、どうも。谷川拓也です。こんばんは」
「はい。本日のゲストは、『じゃがわかめ』のCMソングでもお馴染みのシンガーソングライター、谷川拓也さんです」
「どうもお久しぶりです」
「お久しぶりです。ここでお会いするのは……」
「二度目ましてですね」
「そうですよね。二度目まして、で間違いないですね」
「はい」
「ただ、子供のころ、実は何度かすれ違うくらいのことはあったみたいで……」
「そうですね。同郷で、同じ小学校や中学校に通っていましたから。ただ、高山さんは、だいぶ先輩なので、同じ時期に同じ学校にいたことはありません」
「だいぶって、年齢がばれるのでやめてくださいよ。はははは」
「すみません……」
「まあ、事実ですからね。こればっかりはしょうがない。で、そんな私のだいぶ後輩な谷川さんが今日来てくれたのは……」
「だいぶ後輩なのに、ニューアルバムの宣伝です。申し訳ない」
「やりたいことだけして、言いたいことだけ言いに来たんですねー」
「本当、申し訳ないです。……いやあ、まいったなあ」
「六枚目になるんですね」
「はい。おかげさまで。今回も十四曲入りです。『TEO』というタイトルです」
「『TEO』ですね」
「『TEO』です。アルファベットでT、E、Oです」
「これはどういう意味なんでしょうか?」
「九五、六年ごろにですね、『TEO もうひとつの地球』っていうパソコンソフトがあったんです。TEOという仮想惑星があって、そこに鳥になったイルカみたいな生き物がいて、その生き物とコミュニケーションするっていう」
「なんとなく記憶にあるような気がします。『シーマン』とかの先駆けのような」
「もっと可愛い生き物でしたよ。あの世界観が大好きで、いつか歌にしたいなあと思っていまして」
「じゃあ、この一曲目の『もうひとつの地球』という曲は」
「まさに、です」
「なるほど。では、谷川拓也さんのニューアルバム『TEO』からの一曲。『もうひとつの地球』お聴きください」