座敷童子を騙そう

 

座敷童子を騙そう 落ちぶれた伯父の頼みで

先走るチャウチェスク 常に坊主の影

 

座敷童子を騙そう 詩人な伯父を抱えて

先走る総辞職 夢に坊主の影

 

 

 2000年9月某日の日記の端に書き殴られていた文章で、どうやら寝惚け眼の頭に浮かんだ「上を向いて歩こう」の替え歌のようなのだが、起きしなのアイデアの大半がそうであるように書き残す必要性を感じるものではない。

 それにしても、いくら妖怪の類が人間臭く描かれることが多いとはいえ、人知を超えた存在を騙し通せるものなのだろうか。騙し通せたとしても、仮に妖怪が本当に存在しているのなら、地獄というものもまた存在している気がするので、いくら現世で富を得ても結局報いを受けることになる。座敷童子の実在を認識した時点で邪な考えは捨てるべきなのだろう。

 幸か不幸か私は生まれてこのかた、それらしき存在の気配を微塵も感じたことがないので、かような悩みとは無縁である。