天に願ってないで、ちょっとはまともな学者の言うことを聞きなさい。

 映画学校時代、たしか天願大介監督だったと思うが、脚本を書くうえでの戒めというか掟というか、そんなのが書かれたプリントを学生たちに配ったのだが、その中に「学者の言うことを信じないこと」というような意味合いのことが書かれていた(そのプリントは紛失してしまったので、はっきり確認はできない)。

 学者の言うことを信じずに、映画『カプリコン・1』なんかを信じ切って生まれたのが、アポロ陰謀論のようなアホな話である。学者や統計を無視して、文化人の思い出語りレベルの言論によってはびこったのが、俗流若者論や江戸礼賛である。

 そのくせ、怪しい学者の話をツイッターリツイートする映画学校講師がいたりするので、結局映画人なんてアホばかりなんじゃないかと思えてくるけど、まあここで早々に「映画人はみんなアホ」と結論づけてしまっては、思考の浅さが彼らと同レベルになってしまうので、「思えてくる」にとどめておく。



 ところで、北海道は、もうかなり寒くなってきた。
 暑いより寒い方が、私の脳は活発に動いてくれる。
 でも、それは寒いと寂しさも感じやすくなり、紛らわすために色々考えるようになってるだけかもしれない。

 冬がゆっくり近づいている、というより、髭もじゃの冬将軍は、北海道のちょっと手前で既にゲラゲラ笑いながら酒盛りしてると思う。

 「よおー、道民ども、待ってろよ。もう、いつでも乗り込んでってやるからな。グアハハハハハ!」という声が聞こえる。たぶん、冬将軍って藤村ディレクターに似てると思う。