ここはお前らの来るところじゃねえ

 9年ぶりに北海道に台風が上陸。近隣の市町村でも、床上浸水などの被害の様子がニュースで報じられ、自分は水の染み込みやすい平地在住でよかったなと安心するわけですが、それでも何度も小刻みに停電に見舞われたり、大きな木の枝がふっとんできたり、作物が残念な姿になっていたり(近所のトウモロコシ畑が見るも無残な状態になっていた)、台風コラ、もう来んなボケェと罵倒してやりたくなりました。

 しかし、売られた喧嘩は買う精神なのか、あの台風の野郎、今度は3連続くらいで上陸してくる気でいるらしく、これがクズ暴走族であれば、「警察はなにをやっているんだ」と怒りの矛先を向けるべき相手が見えてマシなのですが、いかんせん自然現象なので、何に怒りをぶつけてよいものやら分からず、ただでさえ6月から青空の少ない気候が続き、脳味噌が湿度にやられて、拳銃なんか隠し持っていたなら、おかしくなって頭をブチ抜いて、「綺麗な顔してるだろ。死んでるんだぜ」とは絶対に言ってもらえない死に様を晒していたかもしれない、そんな精神状態なわけです。もともと、私はあだち充先生の作品世界とは程遠い人生を送っておりますが(高校野球が嫌いすぎて、『タッチ』ですら、気持ちよく読めないような人間です)、この湿気は、私をさらにそこから遠ざける気のようです。

 ああ、なんだか、こう、暴れたい。自らの内に潜む攻撃性というか破壊衝動といか、そういうのものが、湿度のせいで爆発しそうです。湿気は本来、火薬にとっては天敵だと思うのですけどね。そういえば、ピンボールが攻撃性の抑制に有効という話を聞いたことがありますが、あれは本当なのでしょうか。たしかに映画『トミー』でのピンボールのシーンには、得体の知れないカタルシスがあるような気がします。尾崎豊が『卒業』の中で「ピンボールのハイスコア競い合った」と歌っていたのも、破壊衝動を抑えるためだったのでしょうか。尾崎豊にはまったく心を動かされない人間ですが、もしピンボールにそのような効果があるのなら、誰か私にプレゼントしてくれないでしょうか。我が家には、なぜか某知人から譲り受けたゲームボーイソフト『カービィのピンボール』くらいしかないのです。あれでは、少しもすっきりしません。『九月の冗談クラブバンド』という映画で、室田日出男が「すっきりするか」とか言っておりましたが、あの映画もまったくすっきりしない映画でした。やはり私は『爆裂都市』と『闇のカーニバル』のほうが好きです。とりあえず、ザ・フーの『ピンボールの魔術師』を繰り返し聴き、その後で、バトル・ロッカーズの『セルナンバー8(第8病棟)』を聴きながら、『爆裂都市』の中でめちゃくちゃにやられる故・上田馬之助氏の顔を嫌いな奴の顔に替えて妄想すれば、少しはすっきりするかもしれません。ならば、さっそく……。それでは。

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