風の強い日に窓の外の景色を眺めていると、いやあ木というのは本当に丈夫だなあ、などとありきたりなことを考えたりもするのだが、しかし、私は「人もあの木のようにたくましく生きなければならない」などという浅はかなことは思ったりしない。
だって、私は木じゃねえから。
そりゃあ、木ってやつは、ちょっとやそっとの風ではへし折れたりしないし、かなり強い風でも、うまいことしなってみせて風からの攻撃をやり過ごしたりと、非常にたくましい。だが、そんな木だって限界がくればへし折れるのである。
それに、たとえば鉄板なんかが木に勢いよくぶつかっても、そう簡単に木がちょん切れてしまうことはないのだが、これが人間だとそうはいかない。私は幼少時から、『ジャンク』や『デスファイル』といった、いわゆる悪趣味系のビデオなんかに興味を抱いてしまういけない子だったのだが、それゆえに、人間の身体が割と簡単にちょん切れたり潰れたりしてしまうということを、「そういう悪趣味なものをわざわざ見ようとは思わないッスねえ」などとわざわざ公言したがるような御方よりも、おそらくしっかり理解している。理解しているからこそ、あれこれ余計なことを考えて不安になって、静養するはめになっているともいえる。
私が木であれば、まだまだ折れずにそびえ立って、そろそろ紅葉かという時期だったのかもしれないが、私は木ではないので、割と簡単に折れてしまった。ゆえに本日も静養なり、なのである。
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