静養日記40 〜道産子のDNA……ジンギスカンもわかさいもも好きではないけれど〜

 修学旅行くらいでしか北海道を出たことがなかった頃は、辺りが一面雪景色にならないと「冬がきたなあ」などとは感じなかったのだが、映画学校のある神奈川で6年ほど過ごし、また北海道に戻ってきた現在は、草木が葉を落とし、風景の色が緑よりも茶色が目立つようになっただけで「冬がきたなあ」と感じてしまうようになった。つまり、関東のあまり雪が降らない地域における「冬」である。そういえば、単純に加齢のせいもあるだろうが、高校時代あたりと比べて寒さにも弱くなってしまった気もする。

 北海道に戻って来て、これもまた6年ほどになる。なので、そろそろかつての冬の感覚に戻りそうな気もするのだが、今年もまた茶色の景色だけで冬を感じてしまった。道産子のDNAが消えかかっているのだろうか。もう2、3年、様子をみてみようと思うが、はたして来年の今頃にそんなことを考える余裕があるのかどうかという問題もあり、どうやら私の精神状態は、ここ10年以上冬のままらしいぞと思うに至る。じゃなきゃ、静養の必要もなかったことだろう。