やっぱりシカでした

 久しぶりに車に轢かれたキツネの死骸と出くわす。小さな猫なんかも捕食していると聞いていたので、潰れた腹から猫の体が飛びだしていたら更に嫌だなとも思ったが、車で通り過ぎただけなので詳細な観察はできなかった(別にしたくもないが)。

 もっとも、蛇じゃないのだから、捕食といっても丸飲みにしているとも思えず、食後間もない出来事だったとしても、猫と判別できるものが飛び出ていたかどうかは怪しい。いずれにしても、縁がないならないままで良い。

 さほど出歩かない私が「久しぶりに出くわす」程度には、おそらく轢かれ続けていると思われるキツネたちだが、この辺りに動物飛びだし注意の標識は見かけない。どの程度の頻度で動物の飛び出しがあれば、あの標識が立てられるのかは分からないが、たぶんまだ基準を満たしていないのだろう。車嫌いとしては、標識が立てられるより先に自家用車文化が廃れてくれればうれしい。

 さて、動物飛び出し注意の標識の例として出されるのは主に鹿だが、地域によって現れる生き物も違うわけで、その分、標識にも色々と種類があるらしい。なかには、蟹が描かれている場所もある。甲殻類の苦手な人は、標識を見ただけで怖気づいてしまうかもしれない。蟹に限らず、苦手な生き物が標識に描かれていた場合、それだけで運転に多少の影響が出てしまう人もいるんじゃなかろうか。可能であれば、同乗者に運転を替わってもらうのが良いだろう。

 しかし、熊注意の標識の場合だと、怖いのは衝突よりも、むしろエンストである。充分な準備のない者は引き返すよう勧める文章なんかも、標識と共に掲示しておいたほうが良いかもしれない。

ひらあやまり (角川文庫)

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