スダールは美味しくいただかれていない

 『キングコング対ゴジラ』に登場する大ダコは本物のマダコを撮影に使用しており、撮影後はスタッフが2日がかりで美味しく召し上がったらしい。もちろん、バラエティ番組とは違うので、スタッフクレジットを細かく探しても「スタッフが美味しくいただきました」という注意書きはない。想像力の貧困なクレーマーがもっと増えてくれば、劇中に表示されるようになるかもしれないが。

 『ウルトラQ』第23話「南海の怒り」にも巨大なタコ「スダール」が登場する。スダール登場の場面には『キングコング対ゴジラ』のシーンを流用した箇所があるが、もし注釈をつけることが指示された場合、どう説明すれば良いのだろう。たしかに撮影されたタコはスタッフが美味しくいただいたのだが、それは『キングコング~』撮影時の話であって、『ウルトラQ』撮影時ではない。つまり、大ダコさんは食われたがスダールさんは食われていない。子供たちに誤った情報を与えてはいけないなどと言われても、このケースはどうしたものか。

 まあ、スダールや大ダコの存在自体が「誤った情報」と言えなくもないし、創作物にそもそも上記のような注意書きなど必要ないとも思うので無意味な問いなのだろうが、怪獣ファンとしては、スダールさんだけが死後に有効活用されていなかったとするのもかわいそうなので、なにか気の利いた言い回しがないか暇な時に考えてあげようと思う。思いつくかどうかは別として。

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  • 発売日: 2005/07/29
  • メディア: DVD