「車はガソリンをかけて爆発させるのです」

 美月雨竜氏は瞬間移動などというスペックは当然持っていないし、また、そのような特殊能力を使いこなせる友人もいない。そもそも、普通に友人が乏しい。

 さらに美月雨竜氏は、最後に運転したのは教習所だという、見事なまでのペーパードライバーであり、瞬間移動などという夢の話どころか、自動車移動という至極現実的な移動方法さえおぼつかない。

 ゆえに、美月雨竜氏が「どこか遠くへ行きたいなあ」などと考えた場合、がんばって歩くか、自転車を買うか、親類や乏しい友人の運転する自動車に乗っけてもらうか、公共交通機関を紳士的に利用するかになる。

 しかし、美月雨竜氏は自動車が嫌いである。生活のために、仕方なく乗っけてもらったりはしているが、自動車についての話になると機嫌が悪くなる。

 自動車について熱く語りだす人間が所有している自動車を、こてんぱんのくっちゃくちゃにしてやりたいと常日頃考えている。

 カーレースやカーチェイスは大好きらしいが、どうやらそれは、大嫌いな自動車が爽快に破壊される様子が高確率で観られるかららしい。スクラップ工場なども好んでいる。

 田舎の人間は、おそらく、都会の人間より早くに車の所有欲を持つ。そうしないと、自由に遊びに行けないからである。

 美月雨竜氏の頭の片隅には、「自動車好きの奴なんて、娯楽を知らない田舎者なのさ」という偏見がこびりついているようだが、それには、上記のような理由があるのだ。

 美月雨竜氏が、もし将来、自由に映画を撮れる機会を得たとしたら、おそらくその映画では、予算が許す限りの自動車がスクラップとなるであろう。

 車は壊すためにあるのです。それが、美月雨竜氏のポリシーである。

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呟き散らかしたこと


 農薬やとにかくカラダに悪そうなものを嫌っているらしい人が、ツイッターで「北海道移住計画」なんて書いていたけど、北海道に来た方が農薬を浴びる確率は高くなると思うんだがなあ…。

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 『あまちゃん』が関西で受けない理由っていう記事を読んでみた。
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20130608/enn1306081651012-n1.htm
 関西的な「濃い」笑いに合わないっていうのが、この書き手としての結論のようで、関西人にはそれこそこの笑いは「あまちゃん」に映るのでは、と書いてあったが、料理で濃い味しか受け付けないのは、単に味覚バカだろうし、たしかにドラマや映画や小説、マンガ等における「濃い」「薄い」と料理の味の「濃い」「薄い」は別のものではあるだろうけど、「くどい演出」っていうものがあるのは、どんなに興味のない人だって知っていることで、『あまちゃん』が本当に薄いのか、はたまたいわゆる関西的笑いが「くどい」だけなのかも考察しなければ、あのドラマの笑いを「甘い」と断じることはできないと思うんだがな(まあ、書き手が『あまちゃん』を「甘い」と思ってるわけではなさそうだけど)。