頭が軽いと天丼も軽くなる

 以前、『タモリ倶楽部』で特集されていたが、俳優の高橋克実さんは月に2回、ヘアカットに通っているらしい。番組内でタモリさんに「切るほどのものないでしょ」とからかわれていたが、幸い(?)にも切るほどのものがまだまだある私は年に2回しか髪を切ることがない。暑い季節がやってくる直前に一回、そして一年が終わる間際に一回という調子だ。だが、通っている美容室の入口付近が、本格的な冬を迎えると非常に滑りやすくなるので、今年は少し早めに済ませることにした。もっと前からそうするべきだったのかもしれないが、年に2回とはいえ、どうも習慣というのは壊しにくいものである。

 年に2回のヘアカットとなると、自然と切る量もそこそこの多さになり、この時期だとカット後の頭や首周りはかなり寒く感じるようになる。その分、軽くもなるので、健康になったかのような錯覚に浸ることもできる。あくまで錯覚で、実際には健康どころか、冷えるせいか風邪気味になることも少なくない。脱皮直後のようなもので注意が必要である。

 さて、そんな冷え気味の頭のまま、たまに利用するショッピングセンターにも寄ったのだが、惣菜コーナーで弁当などと一緒に並べられている天丼に目を向けると、いつもならかぼちゃやサツマイモといった野菜天も乗っているはずなのに、えび天だけが4尾に増えていて、あとはお飾りのように大葉の天ぷらがあるだけになっていた。もう「天丼」より「えび天丼」を名乗るのがふさわしい姿である。行くたびに惣菜コーナーを覗いているわけではないので、ひょっとしたら季節や週ごとに替わっているのかもしれないが、増税や野菜の不作による影響なのだとしたら、これもまた心寒い話である。

 そういえば、かつて「バカはエビを好む」という、どこから生まれたのかわからない説を紹介していたテレビ番組があった。どこまで信憑性のある話なのかは知らないが、もしバカが増えているせいで天丼もエビのみが増えたのだとすれば、それは増税や野菜の不作よりも由々しき問題だろう。別にえび天が嫌いなわけではないけれど、私は多少お高くとも野菜天の多い天丼のほうが良い。