キワノらしき果物と矢崎滋に似たおじさん

 「キワノ」……正式名「ツノニガウリ」または「ツノメロン(Horned melon)」。黄色の果皮にゴツゴツとしたトゲをもつ果実。果肉はゼリー状のエメラルドグリーン。

 

 より詳しく知りたい方は各自で調べてもらうこととして、この「キワノ」に関しては、長年気になっている薄らぼんやりとした謎の個人的記憶がある。

 おそらく、幼稚園入園前、偶然目にしたテレビ番組のなかで、今思えば矢崎滋に似たおじさんが、皿の上に盛られた皮も剥かれていないキワノをフォークで刺そうとしているのだが、不器用なせいか、はたまたキワノが想像以上に転がりやすいものなのか、どうにもうまくいかず、何度も挑戦している姿が映し出された。司会者らしき声が面白がり、古舘伊知郎福澤朗的な調子で実況しはじめ、ようやくフォークを突き刺すことに成功すると、そのまま皮ごと口に放り込んだ。

 私の脳味噌の片隅に収納されているのは、上記のような映像なのだが、はたして実際に放送された番組なのかどうか。ひょっとしたら、夢かなにかなのかもしれない。似たような番組があったのだとしても、いかんせん幼稚園入園前の幼児のいい加減な記憶なので、まるで違う内容だったのかもしれない。当然、矢崎滋氏本人ではない気もするし、似ていたかどうかすら怪しい。芸能人なのか一般人なのかも定かではないし、司会者も古舘氏や福澤氏風と言えたかどうか疑わしい(時代的に福澤朗ではないと思うのだが、幼稚園入園前の記憶かどうかさえはっきりしないので、可能性がないわけでもない)。余談だが、記憶のなかでは「キワノ」ではなく「ポテト」と表現されていた。ポテトのはずはないので、幼児の聞き間違いだろう。

 たったこれだけの情報で、しかも読んでくれている人が存在するのかどうかも怪しいブログに記したところで、謎が解けるなどとは思っていないが、なにかの間違いで奇跡が舞い込んできたら面白いなと、淡い期待を脳味噌の片隅で薄らぼんやり放置しておくこととする。