感動は思考を止めますからねえ

 自分が感動したものを批判されるのは、たしかに気持ちの良いことではないけれど、だからといって「感動した気持ちを台無しにされた」という理由だけで、批判した人物を批判するのは、あまりに感情的すぎるというか、ちゃんと考える気のない人間の行為だと思う。

 もちろん、「こういう理由で私はその作品を良しとしない」という意見に対し「自分はこういう理由、視点でもってこの作品を支持している」と意見し、議論になって、ちょっと熱くなったりして、一時的に冷静さを欠く、という流れならとりたてて否定すべきものでもない。しかし、大抵の洗脳というのは、感動させられてしまうことから始まるわけで、ナチス的な過ちに向かわないためにも、感動した人間は、感動していない人間の意見こそを大事にすべきなのだろう。