5回目のワクチン接種(オミクロン株対応)は、これまでで最も副反応が軽く、かえって「まさか、ニュースにもあった生理食塩水を注射されたか?」と不安になるほどで、しかし、すでに2度も担当してくれた病院なので、まさかそんなことはないであろう。一応、ごくごく軽めの発熱などはあったわけであるし。
さて、5度目ともなると、予約から摂取に至るまでの段取りも慣れたもので、待合室での15分経過観察も余裕がでてくる。そうなると、なんとなく周囲の様子を眺めたりするのだが、どうやら保険証を忘れてくる人間というのは思っていたより多く存在するらしいと感じた。何かと病院に縁のある私からすると、想像し難いことである。
新型コロナウイルスにおけるワクチン接種という特別な事態がそうさせているのかもしれないし、単純に病院と縁が遠い人たちが私の想像よりも多かったのかもしれない。だが、必然的に病院を訪れる回数の増えそうなお年寄りたちの姿も目についた(認知症等で介護が必要そうな方は別としても)。どうして、そんなに保険証を忘れて来られるのだろう。常に携帯している者は、そう多くないのだろうか。それとも、私の居住地域周辺だけの現象だろうか。
保険証を持参してこなかった者に対する病院側の対応がまた手慣れたもので、日常茶飯事であることを窺わせる。「ああ、またか」という思いを表情の端に滲ませながらも、丁寧に対応していた。もちろん、このような場面であからさまに苛々を表に出すような職員がいたなら、私は摂取場所を変更していたことだろう。
しかしながら、ワクチン接種も保険証の不携帯も「手慣れた」状態になるのは喜ばしいことではなく、私としても余計な世間の事情に気をとられずに済むようになってくれることを祈る。