奴らは逃げも隠れも気づきもしない

 半強制状態のスポーツ指導が夜まで続き、多くの子供が親に迎えに来てもらうなか、家と学校の距離が近いという理由で迎えを願う電話を教師に止められた子供が、もしも帰り道に別の子供の親が運転する車に轢かれて亡くなったなら、『相棒』の極端に重苦しいエピソードで描かれるような悲惨な事態になったことだろう。

 そこまでの悲劇は幸いにして私の身近では起きなかったのだが、悲劇を招き得る言動が目立った教師の娘がとあるスポーツで活躍しているらしいことを地元の新聞で目にするたびに、法の罰則がなければ自分は気持ちを抑えきれなかったことだろうと感じ、時折鋏やペン先で写真の顔や急所を突き刺してしまうのだった。