元気ですよと答えてほしくない

 「元気でいろ」などという言葉が無茶振りに思えるほど、嫌らしいまでに寒暖の差が激しい。いったい、涼しい顔をして日々を過ごしている方々は、どのような体調管理をしているのか。生まれ持った身体の丈夫さゆえなのだとすれば、同じように生きろというのは無神経過ぎる話だと思う。「強さ」と「無神経」は結託しがちである。

 幼児だった頃、親の持たせる弁当が必ず手作りの寿司だった同級生がいて、夏場は幼心に「傷んでいやしないだろうか」と心配になっていたが、彼は義務教育を終えるまで「活発なクラスの中心人物」であり続けた。丈夫な者は無神経になりがちという偏見を私が拭いきれずにいるのは、彼と共に義務教育を受けてきたことが大きな要因なのだが、はたして30代も後半となった今、丈夫なままで生きているのだろうか。交流が途絶えて久しいため、彼の印象も義務教育時代のままで止まっているが、世間の事例をある程度眺めてみた印象からすると、きっとそのままなのだろうなと溜息が漏れたりする。