Punk Like Amadeus

 作者の言動に幻滅してしまったせいで作品を楽しみにくくなること自体は理解できるし経験もあるのだが、それでも作者の人間性の良し悪しを作品そのものの評価へやたらと結び付けようとする者の理由はなんなのだろうと疑問に思うことの方が多く、おそらく評価する側の人間が「自分は正義の人間である」と主張したいだけの話ではないかという気がしてしまうからだろう。だとすれば、そんな人間の性格が良いとはとても思えないし、評論も表現のうちであり作品であるとするのなら、当然彼らの理屈に従えば「聞くに値しない作品」ということになる。なんとなく「聞かせるつもりもない」と開き直りそうな予感がするが、それは下劣さの上塗りであろう。

 モーツァルトの音楽が胎教に良いという話はよく耳にするが、モーツァルト自身は「俺の尻を舐めろ」なんてタイトルの楽曲を書いたこともある人物なので、作者の人間性まで含むと、胎教に良いという説に同意しかねる者も増えそうだ。もっとも、下品であろうと下劣であろうと、過度のストレスに押し潰されそうな状態でいるよりは、ゲラゲラと笑い転げていたほうが健康には良さそうなので、「俺の尻を舐めろ」も胎教に良い音楽の一環だと言えるのかもしれない。

FALCO 3 25TH ANNIVERSARY

FALCO 3 25TH ANNIVERSARY

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