不用になった物をリサイクルショップへ売りに行った。査定中に店内を散策していると、地元出身の某若手演歌歌手のCDが売られているのを発見した。この演歌歌手の知名度からしても、リサイクルショップで売られている点からしても、やけに高値に思えたので手にとってみると、それもそのはず「未開封品」であった。
とある音楽雑誌で「尋常ではない気持ち悪さ」と評価(?)されていた某若手演歌歌手は、たしか地元のしょうもないイベントにもよく出演しており、おそらくそういった催しの関係者に配布されたものか、あるいは欲しくもないのに押し付けられた親類・知人が封も開けずに売ったものであろう。売値から察するに、2、300円程の利益にはなったのかもしれない。
問題はリサイクルショップからこのCDを購入する者がいるかどうかである。私は手にとってみただけで、当然購入していない。しかし、購入する者が現れなければ、リサイクルショップ側からすればとんだお荷物である。定期的に覗きに行って、どこまで価格が下げられるか観察しようかなどと性格の悪いことを考えたりもしている。
さて、私の父はかつてプロのミュージシャンだったことがあるのだが、その影響か、「知り合いの知り合いの売れない歌手/バンド(アマチュア含む)」あたりの音源というものが、我が家には結構な数で保管されている。売られてしまった某若手演歌歌手のCDのように、未開封のものも多い。いかんせん、北海道の片隅に隠居しているような元ミュージシャンなので、質の良い音源などそうそう舞い込んではこないのだ。
まあ、送りつけてきた方々が金をせびってくるようなこともないので、その点は不幸中の幸いといえよう。たとえ、彼らの音源をリサイクルショップが買い取ってくれなかったとしても。