祭ばやしより先に救急車の音が聞こえる

 熱中症に関するニュースが連日報道される。教育に携わる者というのは、どういうわけか学習能力の低い者が多いようで、もう何年も危険性が指摘され続けているというのに、体育の授業等で複数の児童が病院へ搬送されたという事例が、新聞でもテレビニュースでもネットニュースでも報じられ、しまいには買い物帰りに救急車が近くの小学校へ入って行くのを実際に目撃することとなった。最近では、かすかにサイレンが聞こえても、それが我が家に音が届く範囲のどこかなのか、それとも別の部屋のテレビニュースからのものなのか判然としないことも多い。

 いずれ、どこかの体育教師がかつての教え子やその親族によってサウナのような場所に監禁され、そのまま煮殺されるといった事件が起きるのではないかと考えているのだが、報復に怯える元体育教師の存在など聞いたこともない。やはり、無神経な奴が多いのだろうか。

 つい先日、幼稚園児と思しき子どもたちが、いかにも幼稚園で作ったような大きさの神輿を担いでいる姿を遠目に見た。遠目なので、園児たちの表情が華やいでいたか暑さに歪んでいたかは分からない。しかし、その日も園児たちの声より、どこかで暑さに倒れた人を救いに向かっていると思われるサイレンの音の方が目だっていたのは確かだった。